二世帯住宅を建てる時、鉄骨構造よりも鉄筋コンクリート造の方が様々なメリットがあることをご存知でしょうか?
鉄筋コンクリート住宅は耐震性に優れており、地震が多い日本ならではの住宅だと言えるでしょう。
今回は、
など、鉄筋コンクリートの二世帯住宅に関する、気になる情報を詳しくまとめました。
鉄筋コンクリート住宅とは
鉄筋コンクリート住宅とはRC造住宅とも呼ばれており、
です。
コンクリートは元々水密性や圧縮性に対する抵抗力に優れており、鉄筋は引っ張る力に強いとされています。
つまり、鉄筋とコンクリートが合わさることによって、これらの機能が合わさった住宅が建造できるということになります。
鉄筋コンクリートでできた住宅は非常に多く、幅広い用途で使われているのが特徴です。
鉄骨住宅との違いは?
ここで、鉄骨住宅と鉄筋コンクリート住宅では何が違うのかをご説明しましょう。
鉄骨住宅の方が軽い
基本的に鉄筋コンクリート住宅よりも鉄骨住宅の方が自重が軽いのがポイントです。
コンクリートが使われていない分、鉄骨住宅の方が軽いことから、様々な工法によって建てられる他、設計自由度が高いのも大きなポイントだと言えるでしょう。
耐久性や耐震性などは鉄筋コンクリート住宅の方が上
鉄骨住宅も優れた耐久性や耐震性を持っていますが、鉄筋コンクリート住宅の方が性能が高いです。
鉄骨住宅は大きな地震が来た時に敢えて揺らすことで、住宅の倒壊を防ぎますが、鉄筋コンクリート住宅は、鉄筋とコンクリートの優れた性能を活かすことで、地震に滅法強い設計になっています。
耐久性も鉄骨住宅以上に高く、しっかりメンテナンスを行うことで、鉄骨住宅よりも長持ちさせることができるでしょう。
鉄骨住宅の方がコストが低い
鉄骨住宅は基本的に鉄骨しか使わないので、建築費用のコストが低いのが大きな違いです。
鉄筋コンクリート造は基本的にコストが高めで、建築費用だけでなく建て替えやリフォームなどの費用も高いところも違います。
いくら性能が良くてもコストの高さが問題となり、鉄筋コンクリート住宅よりも鉄骨住宅を選ぶ人もいるでしょう。
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【二世帯住宅】鉄筋コンクリート住宅の価格相場はどれくらい?
鉄筋コンクリート住宅の価格相場は、坪単価で大体50万円から100万円といったところです。
これは木造住宅や鉄骨造の住宅よりも高く、それだけ高機能が備わっているとも言えます。
坪単価が高いのでなかなか手が出せないものですが、法定耐用年数で見ると、どの住宅よりも安く費用を抑えられる住宅だと言えるでしょう。
木造住宅の場合だと22年しか長持ちしませんが、鉄筋コンクリート住宅は基本的に47年となっています。
つまり、鉄筋コンクリート住宅の法定耐用年数は木造住宅が2回建て替えられるようなものだと言えるのです。
木造住宅の坪単価は約35万円から約79万円となっているので、鉄筋コンクリートよりも安いように思えます。
もしも100坪あった場合、木造住宅だと3500万円から7900万円する計算になります。
鉄筋コンクリートだと同じ100坪で5000万円から1億円にもなるので、木造住宅の方が安く建てられるでしょう。
しかし、法定耐用年数は木造住宅の方が一番短いため、鉄筋コンクリート住宅の耐用年数を迎えるまでに2回建て替えることになります。
もし木造住宅を2回建て替える場合だと、費用は7000万円から1億5800万円にもなるので、長い目で見ると鉄筋コンクリート住宅の方が圧倒的に安いと言えるでしょう。
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建て替えると費用はどれくらいかかる?
鉄筋コンクリートの住宅を建て替える場合、木造住宅や鉄骨構造と比べても費用が高いのがデメリットでもあります。
鉄筋コンクリートの住宅を建て替える場合の費用は、
となっています。
たとえば鉄筋コンクリートの住宅が100坪だった場合、建て替え費用は4000万円から5000万円にも上ります。
解体費用を合わせると、費用はおよそ2倍にまで膨れ上がる可能性があるでしょう。
リフォームすると費用はどれくらい?
鉄筋コンクリートの住宅をリフォームする場合、費用の相場は基本的に建て替え費用の半分となっています。
つまり、建て替え費用が4000万円だった場合は、半分の2000万円でリフォームできるということになります。
どのくらいリフォームするかによって値段が変化しますが、少しのリフォームであればさらに安く抑えられますし、大幅なリフォームならさらに高額になるでしょう。
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鉄筋コンクリートの二世帯住宅を安く建てる方法はある?!
鉄筋コンクリートの二世帯住宅を安く建てるためには、様々な方法があります。
同じ工事の内容でも、やり方を変えるだけで安く抑えられるので調べておきましょう。
ラーメン構造ではなく、壁式構造にする
同じ鉄筋コンクリートの二世帯住宅を建てるといっても、
構造によって費用が違ってきます。
今回の場合、鉄筋コンクリートの二世帯住宅を安く建てられるのは壁式構造です。
壁式構造とは建設する時に柱や梁を使用せず、壁で荷重を支える設計であり、柱や梁を使用するラーメン構造と比較するとおよそ半分の費用に抑えられます。
元々壁式構造は一般住宅に使用されている構造なので、二世帯住宅を建てるのであれば壁式構造で十分でしょう。
ラーメン構造は元々高層ビルなどに採用されている設計であるため、基本的に工事費用が高くなってしまうのがポイントです。
したがって、鉄筋コンクリートの二世帯住宅を安く建てるなら壁式構造にしましょう。
ハウスメーカーや工務店などを比較する
工事というのは基本的に同じ内容の工事でもどこの業者に依頼するかによって、かかる費用に大きな違いが生じます。
つまり、鉄筋コンクリートの二世帯住宅を安く建てたいのであれば、
するのがおすすめです。
細かく比較することで、費用以外のポイントも見えてくるので、依頼する業者を吟味しましょう。
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鉄筋コンクリートの二世帯住宅のメリットは?
鉄筋コンクリートでできた二世帯住宅には様々なメリットがあります。
鉄筋コンクリートならではのメリットがあるので、二世帯が安心して暮らすことができるでしょう。
では、鉄筋コンクリートの二世帯住宅のメリットについてご説明しましょう。
耐震性が高い
住宅に住むにあたって気になるのは、どれだけ地震に強いかどうかです。
日本は地震大国と呼ばれるほど地震が頻繁に起こる国なので、耐震性がどれだけあるかどうかは非常に重要でしょう。
しかし、鉄筋コンクリートでできた二世帯住宅は耐震性に非常に優れており、ちょっとやそっとの地震ではびくともしません。
元々住宅を建てる時は建築基準法によって一定以上の耐震性が求められていますが、鉄筋コンクリートでできた二世帯住宅はこの基準を楽々超えています。
鉄筋コンクリートは引っ張る力や圧縮に強い剛構造になっていることから、大地震が起きても揺れを最小限に抑えるので倒壊しない二世帯住宅になるでしょう。
耐久性にも優れている
鉄筋コンクリートの二世帯住宅は、非常に高い耐久性を誇っています。
鉄筋コンクリートは自重がしっかりしているので、台風などの暴風が起きたとしても十分耐えられるようになっています。
さらに法定耐用年数は47年とされていますが、実際は寿命が長く、少ない頻度のメンテナンスを怠らなければ2世代、3世代と長きにわたって暮らせるというメリットがあります。
木造など他の種類の住宅も性能が上がっていますが、鉄筋コンクリートの耐用年数の長さはそれらの追随を許さないでしょう。
遮音性に優れている
二世帯住宅に住むにあたって心配になるのが、お互いの世代からの騒音ではないでしょうか。
騒音でなくても頻繁に何かの音がすると気になる人も少なくありませんし、音が原因でトラブルになることもあります。
しかし、鉄筋コンクリートの二世帯住宅は遮音性に優れているメリットがあります。
鉄筋コンクリートは基本的に厚く、質量が多いので音を遮断する機能に優れているのがポイントです。
音が気にならなくなればその分快適に過ごせるため、鉄筋コンクリートは二世帯住宅にピッタリだと言えるでしょう。
鉄筋コンクリートの二世帯住宅のデメリットは?
鉄筋コンクリートの二世帯住宅には様々なメリットがありましたが、デメリットもあります。
メリットばかりではなく、どんなデメリットがあるのかどうかも知っておくのが得策です。
では、鉄筋コンクリートの二世帯住宅のデメリットについてご説明しましょう。
重量がある
鉄筋コンクリートは基本的に重量があります。
重量がある分だけ地震に強いということになりますが、それだけ重いということは地盤に大きな影響を与えることになるでしょう。
したがって、もし二世帯住宅を建てる敷地内の地盤が弱い場合は、先に地盤改良工事を行わなければなりません。
地盤改良工事には高額な費用が発生する傾向にあるのもデメリットだと言えます。
増改築が難しい
二世帯住宅の増改築がやりたいと思っても、鉄筋コンクリートの構造では増改築が難しいデメリットがあります。
施工自体が複雑であり、新たに開口部を開けるのは困難を極めるので、ほとんどが要望通りにいかないでしょう。
将来的に増改築が必要になると感じるのであれば、
のが得策です。
熱伝導率が高い
鉄筋コンクリートは基本的に熱伝導率が高いため、暑さや寒さの影響をダイレクトに受けてしまいます。
夏は暑く、冬は寒いので温度調節のためにエアコンを駆使する必要性がでてくることから、エアコン代が高くつきやすくなるでしょう。
【二世帯住宅】鉄筋コンクリート住宅のおすすめ間取り5選
ここで、鉄筋コンクリートの二世帯住宅のおすすめ間取りについてご説明しましょう。
奥建設の間取り
出典:奥建設・奥建築設計事務所
こちらは多層階二世帯住宅であり、1階や2階はもちろん、地下まで利用できるのが大きなポイントとなっています。
家族世帯全員がのびのびと暮らせるように部屋を広く設計しているため、様々な過ごし方ができるでしょう。
さらには小屋裏も利用できるので、2世帯が暮らすのに申し分ない広さになっています。
キッチンは二世帯合同で使用することができますし、子ども部屋も確保できることから不自由なく過ごせるでしょう。
2階建てのRC構造住宅の間取り
出典:スーモ
本体価格帯は4000万円からであり、白い外観と黒い窓のコントラストがシャープな印象を感じさせる二世帯住宅となっています。
鉄筋コンクリートの二世帯住宅なので安心して暮らせるのはもちろん、ちょうどいい距離感で暮らせるのが工夫されており、おすすめのポイントでもあります。
共有されているのは玄関と洗面所、浴室のみで、後は二世帯が別々に過ごせるようになっています。
このように共有部分を少なくしていることから、お互いにちょうどいい距離感を保ちながらトラブルを起こすことなく暮らせるでしょう。
3階建てのRC構造住宅の間取り
出典:T&W
この二世帯住宅は狭小地ながらも天井が高く、それぞれの家族がのびのびを暮らせるようになっているのがポイントです。
1階を親世帯、2階と3回を子世代の部屋にしており、3階は子世代の寝室になっています。
狭小地ということで、日光が部屋に入ってくるのか心配になるところですが、隣接している家の影響を受けないところから日光が差し込むように工夫されています。
完全に分離されているわけではありませんが、親世代と子世代が別々の玄関が利用できるのもポイントです。
ローコストな価格の間取り
出典:SUR都市建築事務所
この二世帯住宅は、セラミック断熱塗料を使用することによって、ローコストを実現させているのが大きな特徴です。
元々工事費用が抑えられる壁式構造で設計されており、内装にもローコストにするためのこだわりが工夫されています。
壁はコンクリートを打ちっぱなしにしたもので、床はモルタルを塗っただけなので、費用をローコストにするために様々なポイントがあります。
コンクリートを打ちっぱなしにした内装は無骨ながらも味のある内装になっており、地下1階も利用できるなど快適に過ごせる住宅だと言えるでしょう。
完全分離の間取り
出典:パルコン
こちらは二世帯住宅ながらも完全に分離した住宅となっており、お互いが近くに住みながら別々の生活を送ることができます。
完全分離型の二世帯住宅はお互いのプライバシーが尊重できる上に、隣にどちらかの世帯が暮らしているので交流が持ちやすいことでしょう。
工夫されているのは、同じ部屋に2つの玄関が設置されていることです。
それぞれの世帯がコネクトドアを境界に、それぞれの暮らしを守りながら過ごせるのが大きなポイントです。
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【失敗例はなし?!】鉄筋コンクリートの二世帯住宅の口コミ!
鉄筋コンクリートの二世帯住宅を建設するにあたって、様々な口コミがあります。
大半は称賛する口コミが多いので、いかに鉄筋コンクリートの方が良いかが分かるかもしれません。
悪い口コミ
良い口コミ
まとめると
やはり費用の高さが問題になりがちなのは否めませんが、それでも鉄筋コンクリート造ならではのメリットに惹かれる人が多くいるようです。
費用が高くても何十年も長持ちするのであれば、長い目で見て鉄筋コンクリート造の方が良いと言えるでしょう。
まとめ
鉄筋コンクリート造の二世帯住宅は木造住宅や鉄骨構造に比べ、優れた耐震性や耐久性の高さなどを誇っています。
鉄筋コンクリート造の二世帯住宅であれば、二世帯とも安心して暮らすことができるでしょう。
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